本日ご紹介するのは「MARVIN社」のバルジュー22搭載クロノグラフです。
「MARVIN社」は1850年にスイスのサンティミエ(St.Imier、ロンジンがある町で有名ですね)で
フランスから来たマルク&エマニュエル・ディディシェイム兄弟(多分・・・)
(Marc&Emmanuel Didisheim)によって設立されました。
同社は1950年まで同族で経営され、
時々ディティシェイム(Ditisheim、これも有名な時計メーカーです)と間違われたそうです。
「MARVIN」社の最初の社名は「M.&E. DIDISHEIM」で
時計の機械とケ-スを作る際のトレ−ドマ−クは”M.&E.D”としていました。
その後、アメリカ等に輸出したりして1900年前後には「MARVIN」の社名を使ったようです。
1920年頃に会社をラ・ショード・フォンに移し、
クロノグラフやらペーパーウエイトウォッチ(何だろう・・・?)やら
ジャパニーズ・スタイル・ウォッチという24リーニュ(約54.12mm)の大型懐中時計、
(多分商館時計のことだと思います)等々、色々な種類の時計を製造していたそうです。
最近、現行品でマーヴィンが復活したのは記憶に新しい事です。
さて、ご紹介する時計は外装・文字板等ヤレテはいますが、機械はバッチリ。

↑文字板↓の周辺が汚れておりましたが、それは綺麗になりました。

ある程度綺麗になったらなかなか雰囲気のある顔です。
年代は1953年製

何やら献辞が彫られているので年代がハッキリしておりますが
インカブロックが付いていないので、
おそらく機械自体は1940年代後半の製造ではないかと推測しております。
ケースは20ミクロンの金張。
裏ブラの淵(竜頭側)の金張が剥げておりますが、そこから金の厚みがしっかりと確認できます。
ラグは地獄カン(ハメ殺し)なので、ご使用になるストラップは選びますが
60年近く経た風格がコイツにはプンプン漂っております。
機械の精度はクロノグラフを作動させていない時は
DU約+15s/d、12U約±0s/d、3U約-5s/d、6U約+5s/d、9U約-5s/dで、5姿勢の最大差は約20s/d。
実際、私の左腕に装着して確認したら、1日10秒もずれるかどうか・・・。
とっても調子がいい機械です。
ところで、日本国内でこれだけの年代物で、
しかも日常的に使われていただろうと想像できるコンディションでは
機械はサビサビは当たり前で、修理にかなり苦労するのですが
コイツはほとんどサビもなく、よっぽど上手な時計師に修理されたのかヒゲ具合&その他の部品も良。
スイスから持ってくる物は、中には錆びてどうしようもないヤツもありますが
湿度が低い気候のせいでしょうか、全体的にコンディションは上々。
機械的にかなりオススメできる一本です。