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ダイワ時計店スタッフブログ

スタッフによる時計紹介・修理雑記

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ちょいと言わせて・・・ 

先日、某所で承った時計のOH。
裏ブタには
DSC03610.jpg
こんな日付が・・・。おそらくOHした日の記録なのでしょう・・・か。

ところが、これがとっても調子が悪い。と言うか動かない。
きっと天真だろうと思っていたら、案の定、天真が曲がっていました。
修正を試みるがやっぱり折れたので、お客様の了解を得て新規作製することに。

その他をチェックしたらアンクルが上手く弾かない。
DSC03607.jpg
こんな感じで止まる。

???と思い、アンクルを外すとザラ回り(歯車がスムーズに回る事)は問題ない。
見るとドテピン(アンクルの左右にあるストッパー)の間隔がかなり広い。
幸いにもこの時計はドテピン間隔の調整が出来るので
DSC03609.jpg
丁度良い具合に合わせたが、それでもアンクルは上手く弾かれない。

で、よ~くアンクルの爪石を見てみたら油がグリス化して粘度が上がって抵抗になっていた。
そこを綺麗にしてもまだ同じ症状なので
ガンギ車の刃先を掃除したらバッチリ弾くようになりました。
DSC03608.jpg
その他、穴石や歯車もかなり汚れていました・・・。

ちなみにこの時計、ネットオークションで落とした物ではないとの事。
お客様のお父様かお爺様の遺品で、代々受け継がれた時計です。

1921年3月にOHしたのであれば、まあ、納得できます。油はカラッカラに乾いているはずですが・・・。
でも、もし、本当に「平成21年3月」にOHしたとすれば、これは酷すぎる。
私達、時計修理職人は手を抜こうと思えば幾らでも手を抜ける。
極端な話、時計が動いてさえいればお客様には分からない。

肝心なのはモラル。職人としての矜持。
手前味噌で恐縮ですが、ウチではお客様に理解されない所まで
自分達が持つ技術(高度なレベルの技術ではないかも知れませんが)を駆使して可能な限り手を尽くす。
だから儲からず、お時間を余計に頂戴しておりますが・・・。

しつこいようですが、もし、本当に1年ちょい前にOHした機械だとすれば
大袈裟に言えばこの時計修理業界の信用が失われかねない・・・と思うのです。

人様の事を云々とは言えるほど大した人間ではありませんが
感じた事をちょいと言わせて頂きました。

カテゴリ: 時計修理

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Posted on 2010/05/21 Fri. 10:19    TB: 0    CM: 4

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