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ダイワ時計店スタッフブログ

スタッフによる時計紹介・修理雑記

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片重り修正 

片重りの修正の仕方を少々。

やり方は2種類。

テンワのバランス取りを使う方法。
kata (1)
水平をとったバランス取りに天真を乗っけると
重い方が真下になるので、そこを削って軽くするか
チラネジ付なら真上にチラザを乗っけて重くする。

でも、この方法は懐中時計等の大きいテンワにはある程度有効ですが
女性用等の小さいやつには対しては確実ではありません。
また、天真に傷等の瑕疵がある場合もダメ。

ですので、ほとんどこの方法は採用しておりません。

より確実なのが、テンプの振り角を落し(約130°前後)
各姿勢の歩度を計って軽い(進む)所を割り出します。

例えばこんなデーターが得られた場合
12U約+60s/d、3U約-70s/d、6U約-80s/d、9U約+50s/dというデーターが得られた場合。

・縦方向の差を求めます。
 12U(+60)-6U(-80)=140
・横方向の差を求めます。
 9U(+50)-3U(-70)=120

次に十字のグラフに縦・横のそれぞれの数値をチェック。
この時、進む方向にチェックすれば軽い所が分かります。

この例の場合、12時方向と6時方向では12時方向が進むので、縦線の12時方向の「140」に、
3時方向と9時方向では9時方向が進むので、横線の9時方向の「120」にそれぞれチェックし、
それぞれの垂線を延ばし直交した所が一番軽い所。

こんな感じにグラフを作ります。
kata.jpg

で、得られたポイント、この場合なら58分位でしょうか、ここが一番軽い所なので
この位置にあるチラネジにチラザ(錘)を加えます。

後はどれ位の重さのチラザを加えるか、
そのポイントにチラネジがない場合はどうするか等々は経験と勘。
結構いい加減です・・・。
ちなみにチラネジが無いテンワは、このポイントの180度逆の場所を抉って軽くします。

まあ、要はテンワの軽いポイントを探して錘を付けるか、その逆方向を軽くしてやるかです。

・・・てな感じで日々、時計とお話し合いをしております。

カテゴリ: 時計修理

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Posted on 2010/08/31 Tue. 11:17    TB: 0    CM: 0

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